美味しい柿を作ろう! 作業日誌
令和5年2月 今年も剪定(せんてい)はじめました
山形県庄内地方にある赤川ファームでは、雪が積もった方が高い枝も無理なく切れるため、例年雪の積もった2月頃に剪定を行います。当然ですが完全防備で臨みます。見えない部分に何枚もホッカイロを貼っています。寒い中の作業は大変ですが、美味しい柿が出来るように一生懸命今日も作業です。
今年82歳のバァバァが腰をビシッと伸ばして高い枝を電動剪定バサミで切っています。大したものです。
剪定前は上に向かって何本もの枝が生えています。このままにしておくと枝が密集し過ぎてよくありません。
かなりの枝を切り落とし、柿の木がすっきりしました。これで一本剪定完了です。こんな感じで100本ぐらいの柿の木を剪定していきます。
美味しい柿をつくるための剪定(せんてい)とは
美味しい柿を作るには1年間を通して時期に応じた世話が必要です。冬の時期は剪定(せんてい)です。柿は落葉樹なので、冬の時期は葉がありません。ハッキリと骨格が分かります。また、寒いため冬眠している状態です。例年12月から3月ぐらいまで、天候とにらめっこしながら剪定を行います。
では剪定の目的は何でしょう。剪定はの目的は大きく3つです。
1 間引き剪定
剪定をしないと細かい枝が無数に伸びて、モヒカン頭のようにボウボウとした状態になります。そのまま放置すれば、葉や枝が密集しすぎて木全体も弱弱しくなってしまいます。そのため、一枝一枝に大きな果実をつけるためには不要な枝を間引いて、残った枝に十分日光が当たりしっかりとした葉ができて光合成でできた糖分が果実に十分に溜まるようにします。因みに柿の果実1個に対して葉20~30枚必要であるとされています。
2 切り戻し剪定
柿の枝は1年間で50㎝から100㎝も伸びます。特に、真上に伸びる傾向が強いです。そのため、切り戻り剪定をしないと高くなりすぎたり、横に広がりすぎて枝が垂れ下がったりします。そうならないためには切り戻しという作業が必要です。
3 切り返し剪定
伸びている枝を途中で切ることを切り返し剪定と言います。柿ではあまり行いません。行わない理由は、柿の実は枝の先端に結実します。その枝を途中で切ってしまえば、果実はならない葉だけのものを作ってしまうからです。しかし、一番太い主枝の先端はあえて切り返し剪定を行います。なぜなら、主枝は水を吸い上げる力が強いため、主枝に多くの葉をつけてそこから広がる果実に栄養をため込むためです。
先端のふっくらとした膨らみ(3つあります)が今年実をつける枝へと成長します。それより下の芽は葉しかできない葉芽です。
柿の剪定方法
山形県の庄内地方は、東北の日本海側のため例年雪が多く降ります。また、天候も悪い日が多く、冬の作業は大変です。でもたまに、快晴の日があると真っ白な幻想的な世界が広がり幸せな気分になることもたま~にあります。
柿の剪定に必要な道具は、剪定ハサミ、ノコギリです。後は、カンジキ(いわゆるスノーシュー)も必需品です。柿の木の全体を見ながら、一本一本丁寧に剪定していきます。
右手にノコギリ、左手に電動剪定ハサミを持ち、寒さ対策のため完全防備で作業しているため、不審者のような恰好になっていますが、今年82歳のバァバァの写真です( ゚Д゚)
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今年も実りの秋を迎えました。10月10日から柿の事前予約販売を開始します。
柿にはポリフェノールの一種であるタンニンが豊富に含まれ、栄養面でも素晴らしい果物です。是非一度甘くて大きい柿を食べてみて下さい。
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